実用のバンドネオンは、7~80年を経た楽器がほとんどのようで、世代から引き継がれ、繕いながら使われて来たと思う。塗装・補修部品・思いつき部品など掲載。
【塗装】
本質を持って外装をためらわず、傷んだ楽器を多々見ることもある。手汗により合板(薄い板を数枚貼り合せ)の剥離・ボタン穴の痛み等、外囲器を損ないかねない状態になっている事もある。補修や塗装は、美観だけに非ず、長持ちの策と思う。
写真↓は、塗装 (2液ウレタン)
や自作の竪琴マークなどの補修前後の記録。('08.10)
塗前
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【ボタン下の関節部品】
左右、奥まった所のボタン下は球面状が向き合い、中心にコイルバネを介し、関節の役目をしている。当初からのコイルバネは、長年の環境等で錆び、折れることがある。組み込まれたままで、折れたバネの抜き取りや、バネ交換が難しく、ボタンレバーとの膠を外し、面倒な補修になる事もある。自作の木部球面状とコイルバネの部品は、関節部分にステンレス・コイルバネを使用し、ストック部品としても製作している。このコイルバネは強制的に脱着も可能で、従来のコイルバネのように過剰伸び等による交換の難や、錆び折れを気にすることもない。
【貝殻ボタン】
貝殻ボタンの補修に、模造のプラスチックが使われていることが多く、磨耗や変色は本物の比ではない。自作の貝殻ボタン切り抜き研磨機で、貝殻ボタンのストックへ。径9ミリ弱(既製の径)。尚、ボタン本体も、既存の色調に考慮。エンプラ POM樹脂で製作中。
【思いつき部品】
ボタンレバーのバネ溝が、錆びとバネ圧の摩擦で過剰に凹み、ボタン操作時きしみ、パレットの開閉がスムーズでないことがある。この部分の磨耗を防ぎ、開閉を円滑にするためのチップ。10数年前、考案。重さ:約 0.16g、ステンレス製。
【竪琴マークの製作】
(上) 数年前、製作時の版下、冒頭の塗装楽器でも使用。
(下) エッチング等による切り抜き自作の竪琴。洋白、厚み0.5ミリ。