昔、「風」と言う童謡があった。"誰が風を見たでしょう
僕もあなたも見やしない けれど木の葉をふるわせて 風は通り過ぎてゆく" 英国の女流詩人 (Christina Rossetti, 1830~1894)の詞で、西條八十 訳詞 、自然の情景が子供の頃、素朴にも心にうたれ、今も口ずさむことがある。
歌は世につれ 世は歌につれ
とよく耳にする言葉だが、心に残る旋律などその時世を思い起こさせ、楽節の一、二音だけでも、その時代や、エキゾチックな風情に誘われることもある。ジャンルにとらわれず、ラヴェルの弦楽四重奏など、和音や旋律の心地行く部分は頭の中の五線に音符を並べたくなることもある。音楽に寄せる思いは尽きぬだろうが、この近年好みが変わった訳でもないが、テレビ朝日『報道ステーション』のオープニングテーマ曲「オープンマインド」作曲・演奏
松永貴志のサウンドに、番組での登場当初から小粋な心地よさを感じている
ところで、15年程前、熊本県立装飾古墳館(竣工1992-3)で当時、NHKエンタープライズの企画で、上映の「海を渡ってきた民族」だったように思う、作品のBGMに韓国民謡の編曲依頼を受けたことがあった。シンセサイザーで、チャング(朝鮮民族が用いる打楽器)のパターンなどエディットし編曲した、3拍子が基本の韓国民謡はその雰囲気作りに何かと模作したものだ。これまで、作曲や、編曲にかかわったこともあるが、SEGAの元会長・大川功氏
(2001年3月逝去) をモチーフに書かれた浪花一代記「負けてたまるか」 詞・湯川れい子 曲・船村徹の歌を、元会長の後援会で唄う伴奏用の編曲を頼まれたことがあった。今、鳥羽一郎が唄いリリースしているそうだ。韓国民謡や演歌にしろ、趣きも少し異なるが、3D映像機器 (参照) の開発にも携わったこともあった。独自のドライブ方式による3D撮影機を手がけ、
阪神淡路大震災直後の立体映像の撮影にも使われた。何かと、こだわって来たのも性分だろう。
(参照 )
~(株)GIT代表 村上幹次社長より~
かって、森繁久彌の駅前シリーズや、社長漫遊記など広く手掛けられた、岡崎宏三撮影監督
(2005年2月逝去) の発案で、ハイビジョン3D映像撮影用に後藤さんが製作したシネカメラ (↑写真)。 岡崎監督 (右下) このベニスでの作品は、眼鏡無しで見るハイビジョン3D映像としても展示された。
~関連引用~
関西学院大学神戸三田キャンパス図書メディア館は、阪神・淡路大震災直後に撮影された立体映像(3D映像)資料を今年度中に入手し、来年度から情報福祉分野、都市政策分野、情報メディア分野をはじめとする様々な研究に活用する。同映像は、震災直後の1995年2月に3回にわたって撮影されたもの。震災後に撮影された通常の映像は多数あるが、立体映像技術を用いて撮影されたものは極めて貴重であり他に類を見ない。資料は約40分の動画映像と約200点の静止画映像からなり、震災直後の北淡町、神戸市(長田)、西宮市の様子を生々しく伝える。動画映像は『華麗なる一族』『戦争と青春』など数多くの映画を手がけた岡崎宏三監督が撮影。また、静止画映像は立体映像技術を開発した村上幹次氏が撮影した。撮影には、距離や大きさを正確に記録できることを特徴とする次世代の立体映像技術が用いられているため、防災分野や都市計画分野における研究など、多方面の研究に活用することが可能。被災者でもある関西学院大学では、本資料を教育研究に活用するほか、震災の記憶を風化させないためにも役立てる。また、これらの立体映像技術により記録した映像をもとに制作したドキュメンタリー作品「立体映像が伝える阪神淡路大震災」を一般に公開する。