2003年10月、ホームページを開設して今日で早、丸3年になる。演奏活動していた頃から、特異な
構造のバンドネオンの維持について、体験の中から少しでも役に立つことがあればと思い、ホームページを設けている。
元来、メカ好きでもあり、ホームページの趣旨とは少し異なるが、楽器のメンテナンスにも繋がる工作機の一部をページに載せている。道具は必要に応じ道具作りから始めるが、使い勝手の良い実用機として重宝している。物作りは、今更、始まった訳でもないが、もの心のつく頃からの夢でもあったからだと思う。
子供の頃、手近な目覚まし時計など複雑な仕組みに興味を持ち、分解して壊してしまった経験者は沢山いると思う。5~6才の頃、二つに折れた自転車を納屋から引っぱり出してきて、庭先で直そうとしたことがある。七輪をおこし、折れた自転車のパイプに半田を付けて直ると思っていた。古びた釘箱の中に錆びた釘に混じって、半田らしき一本の箸が入っているのを前から知っていた。この箸で直すことを思いついたのが、これまでに、ブリキ屋さんの雨戸井直しの所作を見ていたからだ。箸はアルミ製だったが、その時分は知る由も無い。その日は庭先で、2~3羽の鶏が、あちこちの草むらをつついていた
のどかな春の日のことだった。仲良しで三軒隣りの、ヨッしゃん(1才年下の吉夫君)が、傍にしゃがみ込んで見ていた。直ったら自転車に乗って遊ぼうと思っていたのだろう。
振り返れば、成し得ないことも夢にかけて行動したものだ。ブリキで作ったモーターに線を繋ぎ、電球のソケットに差し込み一瞬の火花で近所中停電させた事もあった。ふすまを翼に見立て自転車にくくり付けペダルを力一杯漕ぎ、農道を走ったこともあった。何でも試したがるのは人一倍。「"何やらは"死ななきゃ直らない」と言うが、何やら馬鹿の部類かも知れない。素朴な子供の頃の夢が今でも忘れきれないでいる。