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弾き継がれたバンドネオン

 バンドネオン (BN) の寿命が200年位だとか。まだまだその域に達していないようだが、仕組まれた機能全て持ちこたえることは到底無理だろう。繕いながら弾かれていることが多く、その状態は、個々のプロセスで大きく変わっているようだ。限られた戦前製の BN だが、凡その目安とされるブランドや、AA のシリアルナンバーなど風評に過ぎないこともある。どのような BN であっても、多少の差はあれ、固定化された負の面を持っていることもある。このような部分は微妙に他音と異なり、修復によって、その違いを知ることもある。

 以前、某掲示板に「調律を何回も繰り返し、リードを削られて大丈夫だろうか」と言うような素朴な疑問を記されていたことがあった。誰だってそう思いたくなると思うが、実は、固有振動の誤差程度の調律では危惧される程のことはないと思う。だが、現実はそうでもないことをまま見かけることがある。ピッチ乱れの原因は、リードだけとは限らないのだが、安易に調律を繰り返された結果だろう。ましてや、取り換えられたリードの多い BN 程、問題を抱え込んでいることもある。リードは、言うまでもなく、ボード (プレート) との相対関係で成り立っているが、道理から外れていたとしても、一般的には元々、素性のように受け止められていることが多いようだ。限られた戦前の BN、大切にしたいものだ。リード交換時などデジカメ等で、前後の写真資料を求めるぐらいのこころ配りがあってもいいと思う。

 あまり知られていない内部について、シビアな実態を記すことになったが、例え負を抱え込んでいたとしても、ボードに大きな傷みを受けていなければ、修復可能で、ナーバスになる事もないだろう。維持の一考になればと思っている。